ラジオの世界に興味を持ち始めて３０余年、少年期を現在はあまり見かけることのない、いわゆる「ラジオ少年」として過ごした。無論、今も「ラジオ少年」の気持ちだけは持ち続けているつもりだが、見掛けは少年とは程遠く、「ラジオ青年」どころか立派な「ラジオ中年」の域に達してしまった。 　アマチュア無線を始めたのが１９７１年。丁度、”アマチュア無線再開２０年”という年であった。それが当時のラジオ少年には２０年という年月が途轍もなく凄いことのように思えていたのだが、そう思ったときから驚くことに３１年を経過していることに気が付く。何と恐ろしいことだろう。 　ただ、「再開２０年」と「その後の３１年」を比較しても、これは全く意味のないことで、それは単に年月の点で「２０年＜３１年」という式が成り立つに過ぎない。さらに、若干興味が逸れて希薄な時期もあるので尚更である。しかし、初期、中期、後期と大まかに１０年区切りで考えると、やはり初期の１０年、１９７１〜１９８１年が色々な知識も吸収したし、最も楽しかった頃であったろうと振り返る。 　今日の携帯電話やインターネットの普及に見られる通信手段の多様化は「少年たちをラジオの世界へと駆り立てる」どころか、「通信できて当たり前」、「何で雑音に埋もれた信号を識別することに意味があるのか」など、否定的な理由しか見当たらないし、そう思うのも当然と言えば当然であろう。 　ここに「ラジオ・よもやま話」を書くに至ったのには大した理由は何も見当たらない。ただ、楽しかった思い出というのは誰しも持ち合わせているもので、それを少し「おちゃらけ」的に書いてみようかと考えたからである。 　楽しかったと感じるのは本人だけであろう。大半、いや殆どが与太話である。思い付くままに書き始めることにするので、「日付はいい加減」、「話の順序もバラバラ」、「何時止めるか分からない」。そのつもりでお付き合い願いたい。 さあ！そしたら始めようか。 (２００２．９．６)

　これは『ラジオ・よもやま話』の巻頭言ですが１７年も前に書いたものです。何と月日の経つのは早いものでしょうか・・・私も既に還暦を過ぎ「ラジオ爺さん」の域に達しようとしています。

　ＹＭ、ＯＭ、ＯＴという区分がありますが、ＹＭは当然若者あるいは青年、ＯＭは壮年、ＯＴは老人と大まかに区分されるでしょうか？そしてＯＴはアマチュア無線歴５０年、半世紀というのが目安だったように思います。私も開局して４８年ですので年月という点からだけは、この領域に足を踏み入れていることになりそうですが歳を取った証明に過ぎず、あまり喜ばしいことには感じられません・・・

　最近の高度にデジタル化された無線機には目を丸くしてしまいます。デジタル通信は別にして電話電信は信号処理の方法が変わっただけで本質が変わったわけではありませんので、従来の技術を引っ張り出して来ても十分に楽しめるだろうと思いますし、この方がむしろ科学的には面白いと思います。まあ新技術にも目を向けながらやれる範囲でのんびりと楽しんで行きたい（生きたい）ものです。

　とりあえず再開の手始めにラジオ・よもやま話の続編を書いてみようかと思います。

（２０１９．１１．１７）

これは2002年12月28日に書いたまま未公開になっていた記事を再発見したものです。