京セラのコンパクトカメラ「Ｔ-ｓｃｏｐｅ」は、ニュー・アングル・スコープというファインダーを搭載している。この部分を再利用して街角のスナップを楽しくする小物を作ってみる。結構行けるんだなー、これが。

京セラ「Ｔ-ｓｃｏｐｅ」の徹底利用

　あれっ！それは、この前バラした京セラ「Ｔ-ｓｃｏｐｅ」のファインダー部じゃないの…。

　そうそう、良く覚えてたね。

　それを持って何をニヤニヤしてるんだ。いい娘でも見えるの…？

　いや…。この右側部分が、ほら上から覗くと正面が見えるだろう。これがニュー・アングル・スコープといって、このカメラの売りの一つなのさ。

　ふーん。で、それを如何するの…？

　これでＯＭ用の簡易ウエスト・レベル・ファインダーを作ってやろうと思ってるんだ。ほら！ＯＭのファインダーに当てると上からスクリーンの像が良く見えるだろう。

　本当だ。結構、良く見えるね。

　これを持って、さり気なく街をスナップしに行こうという事なのさ。可愛い娘がいるかもよ。着いて来る？

　行く行く！お供させて頂きます。

製作工程

　ファインダー部からニュー・アングル・スコープのみをカットする。ここで紹介する内容は要するに、これをＯＭのファインダーに取り付けるための工作をするだけの話。

　ここで使うパーツは厚さ０．８mm、１．５mmのプリント基板。上の写真で広い方が０．８mm、狭い方が１．５mm。これを加工しアイカップ２と同様な構造にしてファインダー部分に取り付けようという訳です。紐のように見えるのは輪ゴム、これがないと丸ごとカメラに接着されるので大切なんです。

　エポキシ接着剤で接着したプリント基板とニュー・アングル・ファインダーを取り外す。

　構造１で基板の加工の様子、構造２で基板の厚さの違いが分かる。

　薄い方を広くしているのは接着する、いわゆる糊代をとるためで、接着後は必要な寸法を残してカットする。

　確実に接着するが、接着剤を付け過ぎないのがコツ。

　そのままでも構わないが、ファインダー部分に光が入らないように低い遮光壁を接着する。

　長い基板はスペースを確保するためのもので接着剤が固まれば外してしまう。

　この部分は正面から強い光が入るのを防ぐ板を差し込む個所になる。

　スコープ部分を、０．８mmのプリント基板を折り曲げてグルっと取り囲むように接着する。

　黒い所はマジックで塗った個所。ファインダーを覗いた時、底部から透けて光が入るのを防ぐために塗ってある。

　右の写真は不要な基板をカットし、角を丸めて体裁良くした所。

完成

　完成したＯＭ用の簡易ウエスト・レベル・ファインダー。加工、カットの写真に示した状態に、さらにエポキシ接着剤で滑らかなカーブを付けるように盛り付けした後、黒ペンキで塗装した所。

　前面の写真で分かるようにカメラに差し込む部分は塗装しないこと。滑りが悪くなる。

OM-1へ装着

　簡易ウエスト・レベル・ファインダーをOM-1に取り付けた所。小型で中々見え味？アイカップ２を取り付けるのと同様なので必要な時、不要な時の脱着は容易。背の高さがシューより低いので取り付けたままでストロボの脱着も可能。

　では、実際のどのように見えるのか…？

こんな具合！

　この簡易ウエスト・レベル・ファインダーに、どのような機能を求めるか…？

　クリアーな影像を望むならば純正のアングル・ファインダーを買えば良い。これを作った目的は、ウエスト・レベルで街をスナップしたいからである。

　それなりに絞り込んで撮るので、大体の構図が分かれば良いかなと思っていた。ところが何とピントが合わせられるくらいの性能がある。それは望遠を使った時の方が良い。やって見なければ分からないものである。

　勿論、ファインダー内の像は左右反転している。この世界も新鮮で面白い。こんなアクセサリーを作るのもジャンク遊びの楽しみの一つか…。

（２０００．１０．９）

試し撮り

　絞り込んで使うことを前提に作ったが意外とピントも確認出来そうなので、どのくらい合わせたピントが確実なものかを確認しようと開放（Ｚｕｉｋｏ５０mm/１．８）で撮ってみた。１ｍ程の所の看板と２０ｍ程の所のネオンサインである。

　当たり前の事だが近い方が合わせ難い。それでもまあまあと言った所かな…。使える！使える！

看板・・・若いカップルの話題の場所なのか…

やっぱっ！焼酎は白波たい！・・・ネオンサイン

（２０００．１０．１０）