煙草呑みも大変だ

　煙草呑みも大変だ。酒やガソリンほどではなかろうが、税金がたんまりと掛かっているのに、禁煙席、禁煙制限場所などの類いで肩身が狭い思いをさせられている。

　「おれは人より沢山の税金を払ってんだぞ！」と言いたくなるのも、ある意味尤もかも知れない。しかし、吸わない人間にとって煙草は、この上なく嫌な物であるのも事実だ。

　両者の対決は大体、健康についての議論で押し問答になる。一方は「生理現象だ！」とか言うし、他方は統計あるいは確率に根拠を置いて話すものだから、かみ合うわけがない。

　ガンの発生率なども統計的なものだから「おれがガンになったらどうする！」と言っても始まらない。むしろ嫌いなら単純に「吸わないで欲しい！」と言った方が良い。

　それでは吸う方はどうか？吸うから迷惑に思う人がいるのである。しかし、相手が迷惑に思う人なのか、許してくれる人なのか分からない。迷惑を掛けるのは明かなのだから、「吸っても構いませんか？」と一言聞けば済む事である。

　この吸う方の当たり前の態度が出来ないから問題になるのだ。要は吸う時の態度であろう。大体吸う人自身が回りに気を使って吸っていると言えるだろうか。その気遣いだけで吸える場所は各段に広くなった筈である。制限を強化したのは煙草呑み自身であろう。

　以前は汽車に乗り合わせた時など、「吸って良いですか？」と声を掛けられたものである。今は全くない。

　「煙草を吸っても良いですか？」と聞くコミュニケーションが大切で、そう言われたら「ダメ！」とは言い難い。むしろ言われた方が、その場に居合わせ難くなるだろう。

　目覚めよ！煙草呑み！一言、声を掛けるだけで分かり合えるのだ。教養のある煙草呑みの実行を期待したい。

（２００１．２．１１）