vasolzaのホームページをご覧頂いている方、ご覧頂いた方、常連さん、これから常連さんを対象に参加者を募って実現した２度の共同購入企画！ちょっと舞台裏をまとめてみようかと思い立った・・・やってはいけない！するもんじゃない！もう笑うっきゃない・・・顛末記です！

何を思い立ったか共同購入企画・・・CD-4

「カラーネガフィルムを現像したい！」と思ったときから企画が始まっていたのかも知れない？

ＣＤ-４って高いんだよね〜！

　地方都市でも富士フィルムの現像薬品は容易に入手出来たのでモノクロフィルムを現像することには何ら支障はありませんでした。それで「モノクロフィルムは自分で現像するもの」、「カラーフィルムはDP屋に頼むもの」、それが当り前だと思っていました。ところがある日、「カラーフィルムを自分で現像してみたい！」と思ったのです。

　カラーフィルムと言っても「ポジ」と「ネガ」がありますが、私はポジは使わない主義なので当然ながらネガです。「現像するにはどうしたらいい？やったことないし・・・こりゃあ困ったぞ！」、いろいろ調べていると「難しい！」「面倒だ！」「危険だ！」という初心者の誰もが一度は耳にすることばかりでした。そんな中、カラーネガフィルム現像のバイブル的存在のキットがあることを知りました。それが「ナニワ・カラーキットＮ」でした。

　早速、購入して実際にやってみると、これが意外と簡単！ただ、�@温度管理だけはキチンとしなければならないこと、�A高過ぎると過現像となり救いようがないこと、�B３６コマ撮りのフィルムが１リットルで指定の２０本どころか３０本位は楽に処理できること、�C数日で劣化し使えなくなると思った現像液が１ケ月位使えること・・・など色々なことが分かって来ました。「案ずるより産むがやすい」とはよく言ったもので、初心者が不安に思うことは「難しくない！」「簡単だ！」「安心だ！」に変わりました。

　一度やれることが分かるとナニワカラーキットＮを使ってカラーネガフィルムの現像をするのが当り前のものとなっていました。そして、しばらくすると今度は自分で現像液を調合してみたいという思いが募って来ました。そして、これまでキットを取り寄せてくれていたDP店が仕入先の都合か何かで１回の取り寄せに５００円の送料が掛かるようになったこともあり、それなら「どれどれ自家調合に挑戦してみるか！」で調べ始めることになりました。その経過は「カラーネガフィルムへの挑戦」に書いた通りです。

　調べてみると「難しい！」「面倒だ！」「危険だ！」と言われる意味が分かりました。なるほどね〜！

　カラーネガフィルムの自家調合をするためには単薬を購入しなければなりません。これまた調べていると結構高価な薬品もありましたがよく分からないので必要そうなものは購入しました。その後、使わないで済むなら省略したいと考えて実験を繰り返すこととなるのですが・・・しかし、どうしても省略できない薬品が一つありました。それがカラー現像主薬ＣＤ-４です。これはどうしようもない、これがないと現像できないのだから購入するしかありません。５００gで８００〜１０００円という薬品が多い中、５０ｇで４〜５０００円しますので、内心ちょっと大袈裟ですが「２桁違うんじゃないかい？」と思いました。

　単薬を買って自家現像をやっていると５０ｇ購入したCD-４も残り少なくなって来ました。また購入しなければ・・・国内の販売店でももう少しまとめて買うと安くなるのですが、それでも数万円です。ど〜しようかな〜と考えていると中国の薬品企業のＨＰが目に留まりました。ここからが輸入の始まりでした・・・

一度は諦めた輸入！

　５０ｇで４〜５０００円が高いかどうかは人それぞれですが、私は高いと感じましたし皆さんそうなんじゃないかな〜と思いました。それで、これが安く手に入るんだったら「みんな助かるんじゃないかな？それはいいな〜！」ということで、共同購入をすべく中国企業に問い合わせをしました。日本語は通じないだろうし中国語は書けません。下手くそな英語でたどたどしくメールを書いたのでした。

　返信があってビックリ！輸出の最小単位が・・・な・な・なんと１トン！１立方メートルのコンテナで発送可能！という返事でした。値段がどうのという前に、その量に圧倒されてしまいました。１トンなんて・・・サンプルとして少量の発送が出来ないかと再度問い合わせても無碍ない返事。こりゃダメだ！諦めるしかない！残念無念！

諦めきれない！

　いよいよ購入しないと現像できない状態に・・・でも諦めきれず薬品企業のＨＰはよく眺めていました。じっと観察していたと言った方が適切な表現かも知れません・・・それと同時に長崎は華僑が多いので、その人たちを頼って輸入しようかと真剣に思ったことがありました。

　ところが・・・前回の問い合わせではサンプル出荷は無理という返事だったのですが、ＨＰ上に袋詰め５ｋｇ、２０ｋｇ、ＢＯＸ入り２５ｋｇがあるという表記を発見！、早速、再度問い合わせしました（またもや下手くそな英語、通じちゃいるみたいだから、まあいいか！）。

　標準的な現像液で１リットル作るのにＣＤ-４を４ｇ使います。１ｋｇもあったら一生もの！そう思って５ｋｇを５人で共同購入したら・・・と思って問い合わせてみるとこれがダメ！じゃあ２０ｋｇは・・・これもダメ！え〜！何だよ？それ〜！そうこうやり取りしていると「２５ｋｇの袋詰めだったら送ってもいいぞ！」ってことになりました。初め５ｋｇと思ったのが何と５倍、これをどうやって捌こうかという不安もあるものの、だめなら自分で被ることを覚悟して、「え〜い！いいや！」で輸入することにしました。

どうやって捌こう・・・

　これからが大変！２５ｋｇも来ちゃいました。ちっちゃな容器の中でさらさらと大事にしていたＣＤ-４が持ち上げたら腰を痛めそうなくらい航空便でやって来ました。国内で買ったのは顆粒でしたが中国産のは微粉末、正しく白い粉です。麻薬じゃありませんけど、自家現像をする者にとっての「いい麻薬」です（笑）

　ＨＰでそれまでも数回やっていたプレゼント企画同様、「常連さん企画」としてvasolzaのＨＰをご覧頂いている方、ご覧頂いた方、常連さん、これから常連さんを対象に参加者を募りました。対象をこのように設定したのは、お互いに見ず知らずのもの同士であってもvasolzaのＨＰという接点で繋がった関係を重視したかったからです。幸い初めての方からも「ＨＰを見ました｣とお申し込みを頂き、その一定量を捌くことが出来ました。感謝申し上げます。

配布をどうやってする？

　薬品は湿気を嫌うので密閉出来る容器にしよう・・・乾燥材を入れておかないと・・・などと考えました。顆粒なら飛散しないけれど微粉末だから吸い込まないようにマスクして・・・小分け作業に取り掛かりました。小分けする容器代、乾燥材代などなど必要ですし、私の手間賃を含めて浄財とし諸経費を負担して頂くことにし、その浄財はＨＰのコンテンツを増やすことでお返しすることにして了解を得ました。この企画の後に複数のコンテンツを増やしましたのでお約束は果たすことが出来たと思っています。

何で共同購入企画なのか・・・

　何で「共同購入企画｣にしたのか？ＣＤ-４は医薬品ではないし医薬外品でもありません。しかし薬品であることに違いありません。ならば結果的には代金を頂いて薬品を送るのですから「売買」と言わればそうです。ですが企画を単なる「物販」にしたくありませんでしたし、その他の思惑もあり共同購入企画にする必要がありました。

　それはvasolzaのホームページをご覧頂いている方、ご覧頂いた方、常連さん、これから常連さんは皆さん写真やカメラが好きな方同士でしょうから、意向を理解して頂き「自発に参加いただけるのではないか？」という期待、「相互間に新たな結び付きが生まれるだろう！」という期待もありましたので、vasolzaが「常連さん企画」として皆さんに提案し賛同頂いた方にのみ参加を頂くという形に拘りました。

それでも言えない現実・・・

　先に書いたとおり浄財を加えたのだから儲かっているだろう？・・・完全に否定します。ノー！です。全部捌けていたら儲かっていたかも知れませんが、覚悟したこととは言いながら結果的に誰よりも多く私が参加することになって・・・それ以上は・・・聞かないで下さい。同じようなことを「やってはいけない！」「するもんじゃない！」です（爆）

懲りずに共同購入企画・・・Ｌｕｃky　ＳＨＤ１００

富士フィルムが長巻を販売中止とアナウンスしたのが切っ掛けだった？

富士フィルム！お前もか〜

　仕方ないんです。世はデジカメ時代、いまどきフィルムの長巻を買ってローダーでキコキコなんて流行らないんです。富士フィルムだって商売。慈善事業でやっているわけじゃないから売れない商品を削減するのは当然なんです。パトローネ入りは継続して販売しているんだから文句を言わずにあるものを使えばいい・・・いいのですがローダーでキコキコするのも、それはそれで趣味的な観点からは楽しいんですけどね？（笑）

　国内のフィルムメーカーは富士フィルムだけだから、ここが作らないとなれば目は海外に向きます。でもＡＧＦＡも倒産したし、ＫＯＤＡＫは継続しているから買おうと思えば買える。素直にこれを買えばいいものを、そこは不思議なものでちょっと珍しいモノに惹かれる性格が目を中国に向けさせてしまいました。

Ｌｕｃｋｙ Ｆｉｌｍって・・・？

　中国でも唯一になってしまったらしいフィルムメーカーが「Ｌｕｃｋｙ」です。ＫＯＤＡＫの資本が２０％（だったと思います）入っていてダイソーで売っていたＧＯＬＤ２００は中国製だったので多分Ｌｕｃｋｙ製だったんじゃないかと勝手に想像しています。しかし、真偽は定かではありませんので念のため！

　ＨＰを見るとモノクロネガフィルム、カラーネガフィルムが数種ずつラインナップされていて、長巻も２００ｆｔ〜１０００ｆｔまで数種類あります。１０００ｆｔなんて写真用じゃなくって映画用でしょう。実際、ＳＨＤ１００はポジ現像も出来るのでプリントしないで映画上映用のフィルムとして使うことを想定している商品のように思えます。もちろんパトローネ入りのフィルムはコマ番号も予め入れられている写真用です。

　ど〜も日本には中国製は品質が悪い、まあ中国に限らず東南アジア製は良くない、デジカメでもそうですが日本製に拘る傾向があるんですね・・・そのくせ昔ながらの舶来品への劣等感は拭い去れずいる変な国民です。

　そりゃあ〜厳密に比較すれば富士フィルムとＬｕｃkyのフィルムは品質的に違うかも知れません。でもそれは味であるかも知れないし、製品の位置づけと諦めることかも知れません。「高ければ品質がいい！」と考えるのは保険的な意味では正しいと思いますが、それがすべてではないことも明らかです。

　富士フィルムはフィルムとして最高だと思いますが、使ってみてＬｕｃkyのフィルムが品質が悪いとは思いません。むしろＬｕｃｋｙは大変使い易いフィルムだと感じました。

Ｌｕｃｋｙへメール

　昨年のＣＤ-４共同購入企画の経験もあり、出荷できるのか？最小単位はどれだけなのか？を聞かないことにはお話になりません。また拙い英語でメールを書きました。幸い親切に対応してもらえましたが、返信を読んで気が遠くなりました。最小出荷単位は１００００ロールという返事です。１ロットが１００００ロールなのかどうかは知りませんが、ＣＤ-４の１トンと同じく、「そんなに買えません！」が答えでした。

諦めないのが私のいい所か？悪い所か？

　いくら何でも１００００ロールは・・・でも最初のメールでは２００ｆｔの長巻を欲しかったので、そう書いました。そしたら「２００ｆｔのは製造していないので長巻は１０００ｆｔのものしかない・・・」という返事、「え〜！それが１００００ロールなの？？？ウッソ〜！」と目が点になりました。

　それからメールのやり取りをして「３６枚撮りのパトローネ入りが１００００ロール」であることが判明。あちらさんは私を商社か何かだと思っているらしい。そりゃそうでしょうね！素人が日本に富士フィルムという世界屈指のメーカーがあるというのに販売網もない中国のメーカーに問い合わせて来たんだから商売と思っても当然です。わざわざ何を問い合わせて来たんだって感じだったでしょう。

　もうそこからは「私は素人でありＬｕｃkyのフィルムを是非使いたい・・・」とラブコール！ラブコール！しかし、熱意は通じるものです。「日本からそんな風に問い合わせて来たのに輸出するのは初めてだけど対応してあげるよ！」と嬉しい返事が来ました。ただし、ＳＨＤ１００のみ、他のフィルムはダメ！カラーはダメ！という条件付き・・・

　「太平洋ひとりぼっち」でもないですが、素人が個人で海を渡って来たって感じに思えたんでしょうか？でも好意にしてもらって感謝感謝です。そのあとは比較的スムーズに話を進めることができ輸入の段取りがつきました。

毎度のこと・・・どうやって捌こう？

　共同購入企画をぶち上げておいて流れましたではどうも格好悪いし、メーカーと話を進めないと企画として表に出すことも出来ない。注文を取って発注できれば、そりゃリスクもないし楽なのですが、期待ばかり持たせて流れましたでは申し訳ありません。こんな企画の場合、多少の融通も持たせないといけないし、あちらの折角の好意を裏切るような数だと話が流れかねない・・・そんな挟間で多少の損失を背負い込む気がなければ共同購入企画なんてやれません。

　今回もその積もりが的中！「やってはいけない！」「するもんじゃない！」・・・あっはっは！です（笑）　最終的に輸入した量は先方に迷惑を掛けてはいけませんので伏せますが、３６枚撮りと１０００ｆｔ長巻をそれなりに輸入しました。

今回は浄財ぬき！

　ＣＤ-４は粉末で小分けして配布する容器代などの諸経費を含めて浄財を乗せたのですが、今回は送って来たものを再梱包して発送するだけなので浄財は一切乗せませんでした。当初から参加を申し出て頂いた方々には最大限の情報公開をしました。原価から送料まで全て公表し割り出した単価での共同購入とし参加者を募りました。

間違いの始まり・・・

　国際送金に郵便局が安いと思い使ったら何と郵便局の説明不足があり、海外銀行での送金手数料が送金金額から差し引かれることが判明。「え〜！聞いてないよ！」大体、送金した人の金から手間賃を差し引くなんて話はないよな〜これが個人じゃなくて商取引だったらエライことだよ！仕方ないから差し引かれる分を再送金！これが間違いの始まり・・・

　先方にはその旨メールを送って了解してもらわなきゃならないし、２度もチェックさせることになる迷惑も詫び、そんなことがあってフィルムは無事に到着しました。ＣＤ-４の時はＥＭＳ、今回はＦＥＤEXでしたが、ＥＭＳは税金が掛かりました。ところが今回は配達の人に確認したら「何もありません！」と嬉しい返事。ほほう流石ＦＥＤＥＸ、送料が高いと思っけどきっと税金分を含んでいたんだなって良い方に解釈したのでした。ところがこれまた間違い・・・

　荷受して共同購入価格が確定し発送完了。ところが悲劇はこの後にやって来ました。ＦＥＤＥＸから税金の請求書が・・・立て替えてありますからって。後から請求が来るなんて思いもしないぞ！いまさら請求できるわけないじゃありませんか！えい！もう面倒だ！飲み込んじゃいました・・・

何で共同購入企画なのか・・・

　私が単に物販ではなく共同購入企画に拘る理由は既にＣＤ-４の所でも触れましたが、今回も「常連さん企画」として参加を募りました。今回は前回よりも少しオープンな形で相互間の情報交換もありましたので企画は成功だったと感じることが出来ました。有難うございました。

そして今回も・・・現実！

　ダハハ・・・結局、私が誰よりも多く参加することになってしまったけど「楽しかった！」それが総括です。恐らく私のペースでも、このフィルムを使ってしまうのに５年は掛かるかな？それが現実！これ以上は聞かないで下さい。でもＬｕｃｋｙを使えば使うほど好きになって来たんだからいいんですけどね・・・「こうなりゃ、どっぷり浸かってやるもんね！」（爆）

まとめ

　２度の共同購入企画をやってみての感想は「やってはいけない！するもんじゃない！もう笑うっきゃない・・・」です（爆）でも、「楽しかった！」ことも事実です。そして参加して頂いた方々と写真という共通した趣味を通して楽しみを分かち合えたとすれば、それは私の望外の喜びです。喜んで頂けましたかね？

　２００６年はＣＤ-４、２００７年はＬｕｃky ＳＨＤ１００、さあ来年は・・・今のところ何も思い当たるものがありません。カメラの情報掲示板で情報交換している間に何か興味があるものに出会ったら考えましょうか？「やってはいけない！するもんじゃない！もう笑うっきゃない・・・」と言いながら懲りもせず、またやるかも知れません。

　最後にvasolzaのホームペーに興味をお持ち頂き、共同購入企画に参加して頂きました方々に感謝致します。このホームページの「カメラの情報掲示板」、「投稿アルバム」を通じて楽しく情報交換が出来たら、また私との単向的な接点だけでなく、参加して頂く方々同士の交流が盛んになればと思います。有難うございました。

（２００７．７．２１）