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卵が取り持つ銀と塩と牛乳パックの出会いが、牛乳パックを印画紙に変身させる。古典的印画紙への挑戦だ！ |
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卵＋銀＋塩＋牛乳＝印画紙？ | |
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写真は銀と塩が基本になっているから｢銀塩｣と言われる。特にデジタル時代になって｢デジタル｣と区別する意味もあってか頻繁に聞かれるように感じる？ | |
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以前から、いつか実験して見たいと思っていた内容に｢鶏卵紙｣というのがあった。古典的な印画紙として、その関係の書籍には紹介されているから、｢何を今さら…｣と言う気もするが牛乳パックを台紙（ベース）に使うことを思いつき実験することにした。 | |
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卵の白身のバインダ（台紙への糊の役目）に塩を混ぜておく。その上に銀を塗布すると塩と反応して塩化銀となる。この塩化銀に光が当たると分解されて銀が析出し黒色(実際にはセピア色)化するが、それ以外のところは塩化銀のままなので定着液で定着し洗い流すと写真が出来上がる仕組みだ。 | |
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聞けば納得！しかし、これを考えた人というのは偉いと思います。何でも最初にした人は偉い！尊敬します！ | |
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さあ！作って見よう！ |
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材料 |
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卵・・・Mサイズ１０個 | |
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作る枚数によって増減する。１０個だと牛乳パック４０枚に２度塗りできる量です。 | |
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精製水・・・２００cc | |
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バインダ液と硝酸銀溶液にそれぞれ１００ccづつ使います。 | |
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硝酸銀・・・１０ｇ | |
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一瓶２５gで２５００円位だったか・・・（薬品店で購入可、ただし署名捺印が必要）。
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白身だけを使います |
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卵の黄身と白身を分ける。殻座も取っておくこと。（黄身は卵掛けご飯にしたりして食べます！） | |
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バインダ液 | |
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Mサイズの卵１０個の白身が３７０ccだったので、塩を９g（資料によれば、３００ccに７ｇ・・・）にした。 | |
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白身に精製水１３０ccと塩９ｇを入れて混ぜる。なるべく泡立たないようにした方が良い。後から泡をアク取りのように除去する手間が省ける。 | |
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台紙の準備（この実験の売りはここ！） | ||
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バインダ液と硝酸銀溶液を塗る台紙は無用な化学変化を起こさないように和紙とかが適当なようですが、ここで牛乳パック（写真のはジュースの紙パックです・・・）は口に入るものが入っている容器だから安全だろうと考え使ってみることにした。 | ||
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牛乳パックの内側のコーティングはそのまま、外側のプリントされているコーティングを写真のように剥がす。剥がし易い向きとそうでない向きがあるので注意が必要。 | ||
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牛乳パックの一辺はブローニ３コマ分とほぼ同じだから牛乳パック１個で丁度１本分の印画紙が作れる。 | ||
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バインダ液の塗布 |
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先に作っておいたバインダ液を料理用のハケを使って塗布する。 | ||
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この液の塗りはそう神経を使う必要はないようである。大体均一になるように一度乾いた後に２度塗りした。 | ||
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硝酸銀溶液 |
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１００ccの精製水に１０ｇの硝酸銀を溶かす。その際、食酢を３滴ほど入れて良く混ぜる。 | ||
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硝酸銀溶液の塗布 | ||
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乾いた台紙に硝酸銀溶液を料理用のハケで塗布する。台紙に吸い込まれる分、塗り方のムラの分を見込んで可能な限り均一に塗るようにする。 | ||
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塗る量が少ないよりも多目の方が失敗が少ないようだ（実験が済んでの感想から・・・）。塗る場合はゴム手袋をして注意する事。 | ||
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塗ったらドライヤーで乾かす。これも大量に作るのではなく、必要な分を必要なときに作るのが良い。出来れば塗って乾かして使用、塗って乾かして使用・・・のやり方がベスト。 | |
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焼き付けと定着 |
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焼き付けはベタ焼きと同じようにコンタクトプリンタに挟んで日光で５〜１０分露光する。定着は普通の印画紙の定着液で良い。あまり長く浸けると像が薄くなるので浸け過ぎないようにする。後は水洗いして乾かせばＯＫ！。 | ||
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実験してみての注意点！ |
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台紙は作り貯めができる | ||
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バインダ液は塗り終えた後、硝酸銀溶液を塗るまで相当日数保存できそうなので作り貯め可能。卵を無駄にしないためにも使い切れるだけの牛乳パックを準備する。 | ||
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硝酸銀溶液は使用するときに塗る |
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一気に大量生産は良くないようである。変色したりするので使用する前に塗った方が良い。この溶液は日保ちがしそうだから尚更である。塗る場合の注意は塗り足す前にハケを洗ってバインダ液が溶けた分が硝酸銀溶液に入らないようにした方が良い。 | ||
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プリント結果 |
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ネガフィルム |
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フジネオパンＳＳ (ISO100) | |
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現像は標準現像。 | |
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（鶏卵紙の感度が低いので長時間露光のためコントラストが強いネガのほうが適している。）
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プリント例 |
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露光時間は５分〜１０分程度。 | |
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（硝酸銀溶液の塗りムラのため、コマごとに出来不出来が生じている。台紙毎に出来上がりが異なる。） | |
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実験結果は成功とは程遠い内容だった。何か写っていると言った程度であるが、自分で作った印画紙に浮かび上がったセピア色の像はいつものプリントとは一味違っていた。 古い写真を見ると像が薄くなってしまっているものがあるが、正にその写真のような印象である。紙に像を記録した最初の人間になったような、そんな不思議な世界を楽しむことができた。 | |
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（２００１．５．２４） |
