江戸末期、慶応３年創業のそばの老舗。｢そばは忘れた頃にやって来る｣、待てない貴方は野暮な人。｢災難」じゃないから、じっと待つべし！この店のそばは文句なしに美味い。

　「熊本の美味いもの＝馬刺、辛子レンコン、球磨焼酎(呑んベーが好きそうなものばかり？)」などと決め付けてはいけない。

　「特産品とかで美味いもの」は競争相手が居ないから楽だけれど、「何処にでもあるものなのに、やっぱり美味い｣というのが本当に美味いものなのである。もし、貴方がそば好きで、熊本に行ったら騙されたと思って行って見るべし。絶対に後悔はさせません。お薦めします。

肥後名代手打　生そば井上　（０９６‐３５７‐９３１５）

　店は数年前に新店舗となって現在地(新国道３号線沿い)に移ったが、それまでは川尻の町中(旧国道３号線沿い)にあった。その店の前の店舗の時からだから相当長く通っているのだが、いつも変わらぬ味を提供してくれる。「変わらぬ味」これが大変な事なのである。

　熊本市街地から国道３号線をひたすら南下。川尻入り口(旧道)とバイパス(新道)をバイパスの方に進む。加勢川を渡って暫らく行くと右手に看板があるので注意していればすぐ分かる。

一体どの位待てば良いの？

　早くて３０分。普通で４０分。込んでいる時は１時間が目安。｢そんなに待たされるの！待ち切れないから行かない！｣　それは貴方の自由です。

幻の｢おかめそば｣

　長い間に消えた幻のそばとして「おかめそば｣がある。「卵焼き、しいたけ、たけのこ、菜っ葉、かまぼこ」などを、おかめの顔をイメージして(多分？)並べてある暖かいそばだった。

　何時の頃からか良く知らないけれど、そばに天ぷらをのせた｢天ぷらそば｣なるものが出てきた(昔からあるのかも知れませんが…)。「かけそばに天ぷらがのっているだけで…｣凄く上等なそばのように思われている。そもそも天ぷらはそばの味を引き立てるのか？疑問？(威張るな！天ぷらそば！)

　そばを味わいつつ脇役の味も楽しむ。飽くまでも主役は「そば」。そんな幻の「おかめそば」が懐かしい。

　場所は地図の通り。旧道を通ってバイパスと合流する所を左折した方が分り易いかも知れません。

（２０００．８．１７）